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レッスン日記

Nくんからのおくりもの

 教育の分野で仕事を始めてから、約30年になります。

 物事には、必ず「 はじめ」と「おわり 」があるように、教育の世界にも、「 はじめまして!」と船出の「さよ

うなら 」があります。

 希望と期待いっぱいで、目を輝かせての「はじめまして! 」は嬉しいものですが、どんな理由であれ「さよう

なら 」の日は、何十年経っても慣れることができないというのが正直なところです。

 昨日、インドネシア在住だったNくんとの最後のレッスンでした。日本に帰国されて、新しい気持ちで小学校

生活を楽しまれているようです。

 Nくんとは1年近くレッスンさせていただき、ご両親様もとても素敵な方々で、Nくんの学習状況に常に気を配

ってくださっていました。

 Nくんとのレッスンで、数え切れないほどの楽しい思い出がありますが、その中でも、忘れられないことがあ

ります。

 Nくんが通っていた学校での漢字のテストが翌日に控えていた日のレッスンでのことです。テスト範囲の漢字

の書き取りが難しく、

「 先生、一緒に漢字の練習してください!」

とZoomの画面越しに真剣な眼差しで言ってきてくれました。

 何回も練習しているうちに、ほとんど正確に書けるようになってきました。でも、あと数個の漢字がなかなか

定着しません。

「 絶対にぜんぶ書けるようになる!」

と、何度も何度も何度も練習し、それでも書けませんでした。でもNくんは諦めず、

「 悔しい!もう一回頑張ってみる。」

とさらに自分から練習を続けていました。

 適当なところで諦めず、真摯な態度で練習に取り組むNくんの姿に、尊敬の念を抱かずにはいられませんでし

た。物事に真剣に取り組むことの大切さを小学校5年生のNくんに改めて教えてもらったのです。

 もちろん、Nくんに教えてもらったことはこれだけではありませんが。

 Nくんのこれからの輝かしい未来をお祈りするとともに、Nくんから教えてもらったことを「 Nくんからのお

くりもの」として大切にさせていただきたいと思います。( 東)