海外在住者のための日本語レッスン 優心オンライン

レッスン日記

諦めない!

文字の読み書きがある程度できるようになっても、「話す(会話 )」活動に躊躇してしまうお子さんは少なくあ

りません。

 教科書の単元の文章は、すらすら読めるのに、いざ話すとなると、単語で答えてきたり、「あー 」「うーん… 」

となかなか文が出てこない姿が見られます。

 普段、特に現地校に通っていらっしゃるお子さんは、日本語を話す機会(時間 )や人的環境も限られている場

合が少なくありません。しかし、日本語で自分の伝えたいことをうまく表現できないことを「 当たり前だ」と申

し上げているのではありません。

 タイ在住のMさんは、レッスン開始当初、講師に対して自分から話すことはありませんでした。ところが数ヶ

月すぎて、講師に何かを伝えようとし始めたのですが、上手く伝わらないとわかるとすぐに口をつぐんでしまっ

ていました。

 ところが最近、講師に「伝えたい! 」という気持ちが大きくなり、先週のレッスンでこのようなやり取りがあ

りました。

「わたし、タイ…でも、せんせい トルコ。にほんご… 」

と話を始めたのです。Mちゃんが何を伝えたいのか、一緒に言葉をたぐり始めました。

「 Mちゃんはタイに住んでて、先生はトルコに住んでるよね。日本語?」

「うん。にほんご…」

このようなやり取りを5分近く続けました。その間、Mちゃんは、諦める様子も、イライラする様子も見せず、

とにかく「伝えたい! 」という気持ちでいっぱいで、講師に話し続けていました。

結局、Mちゃんの伝えたかったことは、「 Mちゃんも、先生も違う国にすんでるのに、同じ日本語を話してるっ

ておもしろいね。」ということだったのですが、ここで嬉しかったのは、Мちゃんの「諦めない気持ち 」と、「 先

生だったらきっと分かってくれる 」と信頼して話し続けてくれたことです。

この「 信頼」を大切にこれからもレッスンに臨まなければならない、と身の引き締まる思いがした出来事でし

た。( 東)