レッスン日記
言葉の伝え方
先日、未就園児向けの教育番組を観ていた時の話です。
こんなやりとりを見ました。
大人は、子どもたちに向かってこんな風に話していました。
大人: 「危ないから走らないでね!」
子ども: 「走らないでね、じゃなくて、やってほしいことを言ってよ〜」
というやりとりです。
その他にも、
大人: 「もう!これから出かけるのに!出かける前に遊ばないで!」
子ども: 「遊ばないで、じゃなくて、やってほしいことを言って!って言ってるでしょ!!!」
こんなやりとりでした。
我々大人は、「〜ないで」と、つい禁止の形で子ども達に話してしまっていないですか??
遊ばないで、走らないで、散らかさないで、と、
「〜ないで」と、こちらは注意したい気持ちや、お願いの気持ちで子ども達に伝えています。
【シロクマ効果】という言葉をご存知でしょうか?
他には、【逆説的効果】という言葉でも知られているかと思います。
「今からシロクマのことを想像しないでください」と言われると、
逆にシロクマのことを考えてしまう、という心理現象のことです。
これと同様のことが、子ども達の頭の中にも浮かんでいると思います。
走らないでね、と言われると走ってしまうし、
遊ばないでね、と言われると遊んでしまう。
一旦脳の中で「走る、遊ぶ」という言葉を想像してから、
それを打ち消して否定にしていること考えると、
「〜ないで」という言葉は、とても複雑な指示の言葉なんですね。
テレビを観ていて、子ども達が大人に向かって、
「やってほしいことを言って!」というのが納得です。
その方が、相手に真っ直ぐに伝わります。
「走らないでね」ではなく、「歩いてね」
「遊ばないで!」ではなく、やってほしいお願い事を伝えてもらった方が、大人だってよく分かります。
また次の場面では、
大人: 「もう疲れたから、休憩しよう〜!そうだ!おやつ食べようよ!」
子ども: 「いいよーー」
という会話ですが、こちらも、
一人の子どもは語尾を上げて「いいよ↑」と伝え、
もう一人の子どもは語尾を下げながら「いいよ↓」と言いました。
大人は、「え?!どっち?どっちの『いいよ』なの?!」
と、子ども達に聞き返していました。
文字だけで見ると「いいよ」の三文字ですが、
語尾の上がり下がりでYESにもNOにもなります。
面と向かっての会話だと、相手の表情から、答えを察することができるかもしれません。
ただ、日本人は笑顔で「いいよいいよ〜!(不要です)」と伝える事もあるので、
日本語を学習する外国人にとっては難しい表現であることも確かです。
「いいよ」は、便利ですが、難易度の高い表現です。
「いいよ」って言ったのに、NOなの?!
この手の驚きというか、クレームというか、日本語難し過ぎ!というのは、日本語学校で働いていた時にもよく耳にしていました。
今回このテレビを観ていて感じたことは、
子どもに対しては、改めて「やってほしいこと」で伝えるということを意識したいと思いましたし、
「いいよ」のやり取りを見ると、相手が誤解しないように、はっきりと自分の意思を伝えることの大切さを感じました。
NOとはっきり伝えるのは、何となく言い辛い気持ちになってしまいますが、相手を混乱させることを考えると、
はっきりと伝えていきたい言葉です。
とはいえ私自身は、「NOと言えない日本人代表」のような人間なので、「NO!」と伝えることはなかなか上手にできません。
テレビで観たこれらのやりとりは、時間にすると5分程度のものです。
しかし、大切なことがギュギュギュっと詰まっていました。
西本
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