海外在住者のための日本語レッスン 優心オンライン

レッスン日記

挨拶と言葉

私はいつもレッスンをする時、オンラインの画面が繋がった瞬間、「こんにちは!」と挨拶をします。

これはどの先生もされていることだと思いますし、

挨拶なんて当たり前だと思われるかもしれません。

先生という立場で生徒さんと対面しますし、

一社会人としても「するのが当たり前」だと思われるかと思います。

この挨拶、「こんにちは!」や、「おはようございます!」

と、たった一言のフレーズですが、

自分が普段現地の言葉で挨拶をしているとなると、

「日本語で」挨拶することは、意外とハードルが高いことなのかもしれない、と感じています。

逆に、この挨拶が言えれば、もうその日は日本語のレッスンとしてはなまる合格!をあげたいところです。

私が担当している生徒さんは、

元気よく挨拶してくれる生徒さんが沢山います。

私が「こんにちは!」と言うと、

「こんにちは!」と返してくれることが大半です。

その後私は、

「◯◯さん、元気?」

と、必ず聞くようにしています。

長く担当させていただいている方がほとんどなので、

顔を見れば、その日の様子がいつもと違うことはすぐに分かりますが、

声のトーンや顔色、表情で生徒さんがどんな回答をしてくれるのかな?と、

レッスンの始めに確認をしています。

「◯◯さん、元気?」と聞くと、

「げんき!! げんき?」

と、いつも私の確認をしてくれる生徒さんがいます。

私が、「元気?」と聞いて、「元気です」と答えてくれる生徒さんばかりですが、

その後の一言、私に対して「元気?」と聞き返してくれるということは、意外と少ないのです。

「ウチの子、聞き返してるかしら?!」と思われるかもしれませんが、問題無しです笑!!

「先生にも元気?って確認してよ〜!」

と、言いたいのではありません。

もちろん、「元気です」と答えて終わり、その次〜とレッスンはどんどん展開していくので、始まりの挨拶はサクッと!で構いません^^

レッスンが始まり、その日の日付を確認したり、

最近あった出来事や宿題のチェックまでを【私→生徒さん】という一方向で進んでいってしまうところが、

「げんき?」と聞き返してくれることで、

【生徒さん→私】と、一旦矢印が入れ替わります。

勿論、私は「先生も元気だよ!」と答えるのですが、

その後の会話で、「そうそう!先生はね…」と新たに会話を転換していけます。

日本語が上手だから聞く、上手く話せないから聞かない、ではなく、

「元気?」

「元気だよ!(あなたは)元気?」

と聞き返すことで、

「私はあなたに感心を持っていますよ」

と伝えられるのではないか、と思っています。

「げんき?」のたった三文字の中には、

優しさや思いやりといった、相手を思う気持ちがギュギュギュっと集約されているように感じます。

特にレッスンをしている生徒さんだからこそ、

その思いを強く感じるのかもしれません。

多くの生徒さんは、週に一度しか会いません。

会わない一週間の間、お互いに何があったのか、

どんな思いで過ごしていたのか、知ることはできません。しかし、

日本語で聞き返すというハードルを乗り越えて、

先生が何と返してくるか分からない!というハードルも乗り越えて、

「げんき?」と言ってくれていると思うと、

「私のことを気にしてくれたの?!」と、嬉しくて小躍りをしたい気持ちになります。

【言葉】は、無料でできるギフトだと思います。

ありがとう、と言ってもらうと嬉しいです。

元気に挨拶をしてもらえると、こちらまで元気をもらえます。

逆に言えば、相手を傷付けることができる【武器】にもなり得ると思っています。

大人でも子どもでも、どんな立場の人でも、

「私はあなたに興味を持っています。あなたを知りたいです。」という気持ちで接してもらうと、

誰でも嬉しくなると思います。

しかし、

「なんでできないの?」

「はやくして!」

「もっと勉強しなさい!」

「あっち行って!」

などといった、強い指示や命令の言葉を浴びてしまうと、

心がシュンとしてしまい、悲しくて辛くて重いモノを受け取ってしまうかと思います。

【言葉】の持つ力は、相手を幸せにすることもできれば、

命さえも奪ってしまうほどの威力があると思うのです。

日本語のレッスンでは、何か一つでも多くの言葉を覚えてもらう以上に、

【言葉】が持つ素敵な力も、恐ろしい武器になり得ることも、どちらも伝えていきたいと思っています。

これから大人になっていく生徒さん達に、

言葉で【優心】を伝えられるよう、日々レッスンをしていきたいなと思っています。

西本