レッスン日記
お気に入りの一冊で、心も一つに
みなさん、こんにちは!
優心オンライン日本語講師の豊田です。
今日は、絵本にまつわる心温まる出来事をお届けします♪
私が現在、小学生向けのレッスンで使用している教科書の中に、「どうぞのいす」というお話が出てきます。
先日のある生徒さんとのレッスン中に、教科書の文を画面共有しながら、
「今日はこれを読むよ。」
と言うと、
「どうぞのいすだ!持ってる!」
と嬉しそうに絵本を手元まで持ってきてくれました。
こちらの生徒さん、いつも音読の時はあまり教科書に目をやってくれないことも多いのですが、絵本を使って読んでもらうと、私が読むより先に自分から声に出して読もうとしてくれました。
「この本大好きなの!」
キラキラした目でそう言う彼女の熱量に感動し、私は教科書ではなく絵本を使ってこの作品を読み進めることにしました。
実は「どうぞのいす」は私も幼少期にお気に入りだったので、実家のどこかにあるかもしれない…!と思い出し、本棚や押し入れ、物置などを徹底的に探しました。
すると…
押し入れの奥の紙袋から、ほこりを被った「どうぞのいす」を発見!!✨
カバーもところどころ破れていたので外し、ほこりを拭いてきれいにしました。
私は大喜びで、次のレッスンでその生徒さんに報告すると、生徒さんは笑顔で
「おうちにあったの~!?」
と言い、また自分の絵本を持ってきてくれました。
すると彼女がぽつりと、
「ずっと誰かと一緒に読みたかったんだよね。」
とこぼしました。
お母さまとは一緒に読んだことがあるそうですが、大好きな絵本を他の誰かと共有したかったのだと教えてくれました。
私は、自分がその“誰か”になることができて、心の底から嬉しく思いました。
このような瞬間のために日本語講師になったんだなと、しみじみ感じます。
離れていても、二人で画面越しに同じ絵本を開きながらページをめくっていく時間は、とっても楽しい時間になりました♪
読んでいる途中で生徒さんが
「これってどういう意味?」
と言うと、「くまさんはどんな顔をしてる?」「どう思ったのかな?」
と聞き、絵を見ながら意味を推測したり、
読み終えたあとに私が
「ろばさんは何を持ってきたんだっけ?」
など、内容に関しての質問をしながら、ページをさかのぼってその絵を探したりして、物語への理解を深める活動を行いました。
そして彼女が、
「最初から最後まで、全部のページに出てくる鳥がいるかもしれない!」
と、おもしろいことに気づいてくれました。
一緒にページをめくって鳥を数えながら、“〇匹”と数える練習をしたり、セリフのない鳥はどんなことを思っているのか、鳥の表情を見て、お互いにセリフを考える活動にまでつながりました。
もしかして彼女は、自分でこの物語を読んでいるときに、そのような細部のことまで考えながら読んでいたのかもしれません。
気づいたことを共有してくれたおかげで、私にとってもいい勉強になりました。
ただ文字を読む力を育てるだけでなく、子どもの想像力を引き出しながら楽しめる活動ができることが、絵本の最大の魅力だと思います。
レッスンの途中で彼女が一言、
「今日、楽しすぎるなぁ」
と言ってくれたことを、私はずっと忘れないと思います。
一冊の絵本から広がる、心あたたまる時間。これからも、子どもたちと一緒に、そんなひとときを積み重ねていけたらと思います。
小さな“好き”や“楽しい”が、日本語の力につながっていきますように。
豊田
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